世伝石塔

[世伝石塔せいでんせきとう]

長い歳月を経てなお、大切にされるものがあります。
あるいはまた、風雪に耐えて古びることが「味わい」をもたらすものたち。
露天が宿命の石造物ならばこそ、そういうものをつくりたいと私たちは考えます。

お手本は遥か遠く、鎌倉時代の遺産です。
民を救いみちびく聖(ひじり)と、その教えを忠実に具現する石匠。
両者の邂逅が類まれな造形を創出し、わが国における石造物の全盛期を築き上げました。

石塔の形式や意匠は、一つひとつ、仏教の教義や民間信仰に基づく意味を表しています。
それらは宗派により、使用できる種類が少しずつ異なります。
[世伝石塔]はそうした形式や意匠の概念と法則を正しく踏まえ、ご依頼の方にふさわしい形で制作する石塔シリーズです。

また、鎌倉期作が傑作ぞろいとされる所以は、信仰の教義を示す定型の造形様式のなかにも、つくり手たちの創造的エネルギーが生き生きと表出していることにあります。
私たちも古式に則ったうえで創造性を加味し、伝統的でありながらオリジナリティを兼ね備えた新しい美しさを追求します。
そのため受注後に施主様とご相談を重ね、この世に二つとない仕様の石塔をともにつくっていくという制作方法をとっています。

石材業界は、ここ数十年で昔ながらの手仕事がほとんど淘汰されてしまいました。
[世伝石塔]は古来の伝統的技法を受け継ぐ数少ない石工衆の手により、美しいお墓を丁寧に仕上げます。
贅を尽くした[世伝石塔]シリーズをどうぞ一度ご覧ください。

06 世伝石塔 宝塔
世伝石塔6
宝塔
三重宝篋印塔
世伝石塔5
三重宝篋印塔
4宝篋印塔
世伝石塔4
宝篋印塔
世伝石塔3
大面取五輪塔
世伝石塔2
六角宝篋印塔
世伝石塔1
宝塔

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安寧

[安寧あんねい]

教義に基づいた意匠を重視する[世伝石塔]のコンセプトはそのままに、機械類を用いて制作工程を短縮化した墓塔シリーズが[安寧]です。
[安寧]という名は、子々孫々の幸福を永く見守るお墓であってほしいと願ってつけました。

漢字には数千年前に中国でつくられたときから、字の形が表すもともとの意味(原義)があります。
「安」は嫁いだ家のお墓に礼拝する新妻、「寧」はお墓で先祖の霊に祈る儀礼そのものを表します。※
つまり「安」も「寧」も成立当初から、お墓と深い関わりをもつ漢字なのです。

お参りする人の心を穏やかな安らぎに導く存在として、また故人にとっては、子孫の礼を受けて安らかな祖霊となる永眠の場としてのお墓。
お参りする子孫もいずれは同じお墓に入り、遺した人々からお参りされる側におもむくことでしょう。
そうした魂の継承こそが、お墓の示す尊い交流の軌跡であると私たちは考えます。
想いを込めてお届けする[安寧]シリーズをぜひ一度ご覧ください。


安…《宀は祖霊を祀る寝廟の屋根の形、その廟中で行なわれる儀礼をいう字である。》 《ただ安静にすることをいう字ではなく、祖霊に対して安静・安寧を求めるための行為を示す。》 《新しく嫁してきた婦を、その家廟に入れて廟見の礼を行ない、祖霊にその安寧を求める儀礼が、安の原義であろう。》

寧…《宀と心と皿と丂とに従う。》 《宀は廟屋の屋根の形。心は心臓の形。丂は物をおく高い台の形。廟の中で、台上の皿の上に牲獣の心臓を載せて供える形で、祖霊に安寧・寧静を祈るときの儀礼である。》 《字形は時期によって異なるが、その基本形は、廟中に牲獣の心臓を薦めること、それによって安寧を願うことであるから、願うの意をも生ずる。》

白川静『新訂 字統』(平凡社)より

安寧 04円照五輪塔
安寧4
五輪塔
五輪塔
安寧3
五輪塔
叡尊塔
安寧2
五輪塔
安寧1
ストゥーパ

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和乃塔

[和乃塔わのとう]

[和乃塔]は、独自開発の磨き仕上げ(鏡面仕上げ)を施す仕様のシリーズです。和墓、洋墓、デザイン墓などさまざまな形のお墓に対応することができます。
お墓といえば海外生産が主流の現代にあり、メイド・イン・ジャパンの品質と精神を表すものとして[和乃塔]と名づけました。

磨き仕上げのお墓は1930年代から普及しました。当初は砥石を使った手擦りによる磨き仕上げでしたが、機械工学の発達とともに手動研磨機や自動研磨機が開発され、今ではお墓といえば、磨き仕上げが当たり前の時代になっています。
自動研磨機は効率よく安定した生産ができる半面、製品個々の石の状態や質を見極めることが困難です。機械で一定のレベルに磨き上げてもミクロ単位の細かな傷が残り、それが雨や風など自然の影響を受けて劣化を促しやすくなります。

[和乃塔]はそうした経年変化を最小限に抑えるため、製造工程から自動研磨機を省きました。磨き面の状態が手に伝わる手動研磨機を中心に、曲線部分は昔ながらの手擦りで磨きを行っています。
手加工を施すのは、熟練の腕をもつ磨き専門の石工衆です。石の性質や硬さ、また砥石の状態などを見極めながら、細心の注意を払って一つひとつの墓石を磨きます。
熟練石工衆の掌は、磨き面の微細な違和感も見逃しません。途方もない時間を費やし、ひずみなどを極限まで取り除きます。

その後、何重にも及ぶ検査を経て完成した[和乃塔]は、手加工ならではの独特の艶を醸し出します。直線も曲線も設計どおりの精確さであるにもかかわらず、どこか柔らかい印象を与えるのです。
それはたとえるなら、漆塗りに似ています。透明感のある表面がまろやかに潤み、触れると指に吸いついてプルンとふるえそうな、深く複雑な質感を漂わせます。
[和乃塔]シリーズが放つ“究極の磨き”を、ぜひ直接ご覧ください。

五輪塔
和乃塔2
五輪塔
和乃塔1
角柱塔

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